倉庫の耐用年数とは?寿命を延ばす方法とメンテナンス方法を解説!

倉庫の「耐用年数」を知ることで、保有している建物の価値や寿命、メンテナンスの時期を判断できます。倉庫の耐用年数には、国が定めた年数のほか、専門家による検査による客観的な基準が設けられています。メンテナンスをいつ行うべきか悩む方にとっても、重要な指標となるでしょう。この記事では、倉庫の耐用年数を延ばす方法やメンテナンス方法について解説します。

倉庫の耐用年数とは

倉庫の耐用年数は、国税庁が定めたものから、建物の物理的な寿命に関するもの、建物の経済的な価値を表すものがあります。まずはこれら3つの耐用年数について解説します。

法定耐用年数とは

法定耐用年数とは、建物の構造や用途によって、国税庁が定めた耐用年数です。固定資産の資産価値が帳簿上から消滅するまでの期間を定めた年数です。

資産は時間の経過とともに価値が減っていくという考えに基づいて定められています。

法定耐用年数は、建物の構造や用途によって異なります。この耐用年数は、建物がこれから何年使えるかを表すものではありません。建物の固定資産や、減価償却費の計算に使用されます。

物理耐用年数とは

物理耐用年数とは、建物が劣化で壊れるまでの年数です。建物の構造や材料などの物理的な要因だけを考えた、工学的見地からの判断になります。

物理耐用年数は一般的に、法定耐用年数よりも長めに設定されています。台風や地震などの自然災害、海の近くでの塩害などの条件によって、物理耐用年数は大きく変わります。

物理耐用年数を確認するには、建築士の資格を持つ専門の検査員による、インスペクションを受けます。インスペクションとは、住宅診断とも呼ばれ、検査員が聞き取りや目視、動作確認により、住宅の現状を第三者的立場からチェックするものです。

物理耐用年数は、倉庫の工法によって異なります。工法による、大まかな物理耐用年数は以下のとおりです。

  • システム建築:約30年
  • プレハブ倉庫:約20年
  • テント倉庫:6~8年
  • 在来工法:約30年

経済的耐用年数とは

経済的耐用年数とは、建物を継続使用するためにかかる、メンテナンスや修繕の費用が改築費を上回るまでの年数です。資産を使ったときの支出と収入の予測が、採算に合うかどうかで判断します。

それぞれの施設において使用を続けた場合の、利益と修繕コストのバランスにより耐用年数は変わります。また使用の継続により、今後どれくらいの期間価値があるのかも、大きな判断材料です。

経済的耐用年数は、不動産鑑定士など、建物の経済的資産価値を鑑定するといった、専門家への依頼で確認できます。

倉庫の建築材ごとの耐用年数

減価償却資産を基にした、法定耐用年数は倉庫の建築材や構造によって、大きく変わります。国税庁が定める、建築材ごとの法定耐用年数は以下のとおりです。

建築材・構造 法定耐用年数
木造 15年
レンガ造・石造・ブロック造 34年
木骨・モルタル造 14年
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造 38年

 

国税庁:https://www.keisan.nta.go.jp/r4yokuaru/aoiroshinkoku/hitsuyokeihi/genkashokyakuhi/taiyonensutatemono.html

倉庫の耐用年数を延ばすには

倉庫の耐用年数を延ばすには、修繕やメンテナンスが不可欠です。メンテナンスをするうえで、劣化のサインは大きな目安となります。ここからは、倉庫の耐用年数を延ばすための方法について解説します。

倉庫の外装を修繕する

外装は、建物の美観だけでなく、耐用年数の延長にも役立ちます。外装は、常に風雨や紫外線の影響を受けています。そのため、他の部位と比べて劣化が早いといえるでしょう。適切なタイミングで修繕しないと、雨漏りなどのトラブルにつながる可能性があります。

倉庫の外装修繕は、定期的な点検と適切なタイミングでの修繕・改修工事が重要です。鉄骨造や金属造の倉庫でも、10~15年に1度のメンテナンスを行いましょう。外装修繕では、屋根の防水処理や再塗装、外壁の塗装やコーキングの打ち替えなどが行われます。これらの修繕内容や耐用年数を延ばす方法は、屋根と外壁で異なります。

屋根の修繕
屋根の修繕は、防水処理や再塗装、葺き替え工事、カバー工事などがあります。修繕工事のタイミングは、使用している塗料や屋根材によって異なります。
屋根材のサビやひび割れなどの劣化症状を早期に発見し、修繕することで、耐用年数を延ばせます。

外壁の修繕
外壁の修繕は、塗装の塗り替えやコーキングの打ち替えなどがあります。外壁は、風雨や紫外線の影響を防ぐため、塗装やコーキングの劣化放置は、建物の耐用年数を縮める原因となります。

倉庫の内装を修繕する

倉庫の内装は、施設によって使用材料や構造が大きく異なるため、特性を把握することが大切です。修繕内容は、建物、内壁、機能・用途の修繕などです。具体的には、汚れや傷の除去、機能や用途の回復、塗装の塗り替え、床のひび割れの修繕などが挙げられます。

床の劣化がひどいと、従業員がつまずくリスクが高まるため、特に注意が必要です。また、床面を塗装することで、防塵対策となり、製品への異物混入の防止にもつながります。倉庫によっては、内装材が傷みやすく汚れやすい環境もあるため、定期的な修繕が必要です。

倉庫の構造部分を修繕する

倉庫の構造部分の修繕は、柱や床、梁(はり)、階段、基礎などを行い、建物の耐震性や耐久性を確保することが目的です。

  • 構造部品の修繕は、建物の耐用年数の延長だけでなく、従業員の安全、命を守るためにも重要です。倉庫の構造部分の修繕では、以下の点を確認しましょう。柱、床、梁(はり)、基礎のひび割れ
  • 梁のたわみ
  • 鉄骨などの金属部分のサビ

また、目視できない部分の劣化も考えられるため、専門家による定期的な診断が重要です。早期発見できれば、部材の補強や交換などの対応で済むこともあります。

倉庫のメンテナンスをする頻度とは

ここからは、倉庫の種類、部材の耐用年数によって異なるメンテナンスの頻度について解説します。メンテナンスには定められた基準のほか、目視といった人の力も必要になるので、細心の注意を払いましょう。

倉庫の種類によって異なる

倉庫をメンテナンスする頻度は、倉庫の種類によって大きく変わります。倉庫の建築方法によって耐久力が違い、使用状況や立地環境、使用される建材の種類によっても劣化の進み具合は異なります。定期的な点検やメンテナンスにより、トラブルの防止や修繕費を抑えることが可能です。
以下では建築方法によって異なる、倉庫の耐用年数と耐久性について表にしています。

建築方法 耐用年数 耐久力
テント倉庫 6年~8年 部材が劣化しやすい
耐久力は低い
プレハブ倉庫 20年以上 外壁の耐久力が高い

屋根材の耐久度は低い

システム建築 30年以上 耐久性の高い部材の使用により、品質が安定している
在来工法 30年以上  メンテナンスによっては長寿化が図れる

 

耐用年数を基準とする

部材の耐用年数も、倉庫のメンテナンスを考えるうえで重要です。

屋根材
屋根材の耐用年数は、スレート屋根やセメント瓦屋根で約30年、和瓦やガルバリウム鋼板屋根で約30〜40年、トタン屋根で約20〜30年です。

外壁塗装
外壁塗装の耐用年数は、ウレタン塗料で約6〜10年、シリコン塗料で約8〜15年、フッ素塗料で約10〜20年です。

鉄部
鉄部の耐用年数は、約5年です。鉄部は、サビが発生する前にチョーキングが約3〜5年で発生します。この状態だと、塗料の防錆効果が低下して、サビが発生しやすくなります。そのため、約5年ごとに鉄部の塗装を塗り替えるのがおすすめです。

屋上の防水加工
屋上の防水加工の耐用年数は、ウレタン防水で約10〜13年、FRP防水で約10〜15年、シート防水で約12〜15年、アスファルト防水で約12〜20年です。

このように、部材の耐用年数を知ることで、メンテナンス時期を把握しやすくなります。

劣化の症状を見て決める

耐用年数は、メンテナンス実施の目安として重要です。しかし、現在の倉庫の状況調査もメンテナンスをするかどうかの判断材料となります。

外観や内部、それぞれの設備に劣化が見られれば、早急に補修やメンテナンスを実施すべきです。定期的にひび割れやサビ、チョーキングのチェックをしましょう。

まとめ

耐用年数からおおよそのメンテナンス時期を判断できるので、これから倉庫を建てる方も知っておいて損はないでしょう。また、耐用年数といった数字での確認だけでなく、目視により倉庫の劣化を見ることで、建物の寿命を延ばせます。外壁だけでなく、内壁や屋上にも注意を向けてメンテナンスを行いましょう。




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