倉庫から鳩を追い出すには?効果的な方法と注意点について解説

鳩が倉庫に住みついた・鳩が商品にフンを落とすなどの悩みを抱える方もいらっしゃるのではないでしょうか。この記事では、倉庫に住みついた鳩に困っている事業者の方向けに、鳩を追い出す効果的な方法や注意点について解説します。

鳩(害鳥)による被害が起きやすい場所とは

鳩(害鳥)による被害が起きやすい場所は、都市部と郊外で大きく異なります。ここでは、特に被害が起きやすい場所を3つ紹介します。

倉庫の屋根や屋上

鳩は必ず高い位置から安全確認を取る習性があるため、倉庫の屋根や屋上は鳩が待機する最適な場所です。この段階の鳩であれば、まだ場所への執着は低いので、自力で追い出せる可能性があります。待機鳩といわれる段階で、待機場所が安全とわかると次の段階に移行します。

換気ダクト

換気ダクトは、鳩のねぐらとして最適な場所であり、倉庫内に侵入する経路の1つです。外への脱出経路が近く、雨風をしのげて天敵のカラスなどからも見つかりにくい場所なので鳩に好まれる傾向にあります。

鳩は待機する場所が安全とわかると、ねぐら鳩といわれる段階に移行します。明るい時間帯だけでなく、夕方から夜にかけて滞在するので大きな被害へと発展するでしょう。早朝に鳩の鳴き声がしたら注意が必要です。

倉庫内のH鋼フランジ

H鋼フランジとは、「H」の形をした鋼材です。天井近くにあるH鋼フランジは、雨風のあたらない高所で安全な場所に巣を作る傾向があるため、一番鳩に巣を作られやすいポイントといえるでしょう。

ねぐらとの大きな違いは、ねぐらは寝るだけの場所なのに対して、巣は卵を産んでヒナを育てる場所である点です。この段階になると、帰巣本能と縄張り意識により、簡単には出て行ってくれないでしょう。また、鳩のフンは酸性が強く、金属類を腐食するため、建物が被害に遭ってしまいます。

自力で鳩を追い出す効果的な方法

CDをつるす方法や磁石を設置する方法は有名です。一方で、シェアリングテクノロジー株式会社が実施した「鳩の被害相談に関する実態調査」で効果の薄さが報告されています。ここでは、手軽にできる鳩を追い出す方法を紹介します。

鳥よけマットを使う

鳥よけマットとは、上向きにトゲがたくさん付いているグッズです。スパイクや剣山、トゲトゲマットという別名もあります。トゲが鳩の体に触れさせて不快感を与え、居座らないようにします。鳩が足を置けないよう、なるべく隙間を作らずに設置するのがポイントです。トゲの高さで効果が異なり、15cm以上の高いタイプが効果的です。

忌避剤を使用する

忌避剤とは、鳩が嫌がる成分が入っている鳩よけのグッズです。忌避剤にはスプレー・固形・ジェルタイプの3種類があります。

忌避剤の種類 メリット デメリット
スプレータイプ 塗布対象の形状に左右されない 持続性が低い(3~4時間)
固形タイプ 設置箇所を中心に効果がある 水に弱い製品がある
ジェルタイプ 非常に長い持続性(1年以上) 塗るタイプなので手間がかかる

 

強い執着を持っている鳩の場合は、効果が十分に発揮されにくいかもしれません。

ネットを設置する

ネットの設置により、物理的に鳩の侵入経路を塞げるため、鳩対策をするうえで効果的といえるでしょう。強い執着がある鳩であっても物理的に侵入できない場所には居座れません。

執着が強いと無理やり入ろうとするので、ネットの縁はしっかり固定するのが大切です。また網目のサイズには注意が必要で、鳩がぎりぎり通れない50mmのサイズがおすすめです。

鳩を追い出す際の注意点

鳩を追い出す際は、法律面と安全面に注意しましょう。注意を怠ると、知らないうちに法律に違反していたり、病気に感染したりする恐れがあります。ここでは鳩を追い出す際の注意点を3つ紹介します。

鳩を傷つけたり捕獲したりしない

鳩は鳥獣保護法の対象であるため、傷つけたり捕獲したりしてはいけません。鳥獣保護法とは、無許可での捕獲または殺傷を禁止する法律です。成鳥だけでなく、ヒナや卵、巣そのものにも適用され、違反すると100万円以下の罰金になるので注意しましょう。

完全防備で作業する

必ず手袋やマスク、長袖長ズボンで作業するようにしましょう。鳩は大量の病原菌や寄生虫、カビなどを持っています。鳩のフンがもたらす病気・感染症は以下のとおりです。

病原菌名 症状
サルモネラ菌 悪心や嘔吐の症状が現れ、激しい腹痛や下痢に襲われます
クリプトコッカス菌 肺感染症や髄膜炎、皮膚感染症による発疹が出ます
オウム病 発熱、悪寒、頭痛、倦怠感、呼吸困難など

作業後はしっかり掃除する

鳩は「自分のフンの匂いがある=安全」と判断するため、鳩を追い出した後は、ほかの鳩が住みつかないように、羽やフンを掃除して清潔にしましょう。掃除に必要な道具は以下のとおりです。

  • 新聞紙やキッチンペーパー
  • ぬるま湯
  • 雑巾
  • ゴミ袋
  • キッチンハイター

まず、鳩のフンの上に新聞紙やキッチンペーパーを敷いて、その上からぬるま湯をかけます。フンがやわらかくなるのでそのまま拭き取り、雑巾で拭き掃除をしましょう。

乾燥したフンの掃き掃除は、フンを巻き上げる危険があるので拭き掃除が基本です。最後に塩素系漂白剤で消毒をして仕上げましょう。使った道具は、ゴミ袋にまとめて廃棄すると二次被害を防げます。

鳩対策でもっとも効果的な方法は専門業者に依頼する

鳩対策は法律面や安全面など注意すべき点が多いため、専門業者へ依頼すると良いでしょう。鳥獣保護法の厳守は必須ですし、狩猟免許の保有が求められるケースもあります。

高所作業や、鳩の病原菌による健康被害に対する注意も必要です。免許を取る手間や危険性を考慮すると、専門業者に依頼するのが無難でしょう。

鳩の駆除費用は、被害の状況や面積、対策内容によって異なります。専門業者を選ぶ際は、作業内容の説明があるか、忌避率や駆除率に実績があるか、保証があるかを比較検討した上で決めましょう。

まとめ

この記事では、鳩を追い出す効果的な方法や注意点について解説しました。効果的な方法は、鳩よけマットやネットの設置、忌避剤の使用が挙げられます。鳩の捕獲や殺傷は鳥獣保護法で禁止されていますが、傷つけない形での追い出しは合法です。マスクや手袋などで完全防備して、病原菌による感染症に注意しながら鳩を追い出しましょう。大切なのは、鳩の被害に遭う前の対策です。鳩への給餌はもちろん、巣作りをしやすい環境にしないことが重要といえるでしょう。




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