倉庫の改修やメンテナンスを怠っている企業は少なくないでしょう。倉庫の修繕にはメリットがあり、企業ブランドの維持や資産管理に役立ちます。では、倉庫のメンテナンスや改修はどのようにすれば良いのでしょうか。この記事では、修繕のタイミングの見極め方や、費用目安などについて解説します。
倉庫の修繕タイミングの見極め方
倉庫の修繕に関して最初に気になるのは工事のタイミングでしょう。
倉庫の修繕を行うタイミングは「倉庫の耐用年数が過ぎている」「倉庫に劣化がみられる」の2つです。それぞれ具体的にどういったところで見極めるのかを解説します。
耐用年数での見極め
倉庫の耐用年数が過ぎた時は、改修工事を検討するタイミングです。具体的には、鉄部の塗装は4〜5年、外壁塗装および屋外の防水加工は10〜15年、屋根材は15〜20年が耐用年数の目安です。ただし、使用されている塗料や材質によって耐用年数が短くなる場合もあるため、あくまでも目安として考えましょう。
劣化状況での見極め
耐用年数が数年残っていたとしても、塗装が剥がれていたり、外壁にひびが入っていたりなどの劣化がみられる場合は、改修工事を検討しましょう。劣化のサインとして、以下のようなものが挙げられます。
- 雨漏り
- 外壁に触ると手に白い跡がつく
- 外壁にひびが入っている
- 倉庫内が異常に暑い
これらの状態は、商品に影響を与えかねないため、改修工事や断熱補強などを検討しましょう。
修繕工事の費用目安
倉庫の修繕工事費は内容や規模により異なってきます。ただ、費用相場や目安を把握し、適正価格での対応依頼は大切です。ここでは、屋根と外壁の費用目安について解説します。
屋根の修繕費の目安
塗装は、屋根の表面を保護し、雨漏りを防ぐための工事です。50坪の屋根の場合、塗料の種類によって費用が異なります。
- シリコン塗料:60万円〜
- 遮熱塗料:65万円〜
- 断熱塗料:75万円〜
- カバー工法:1平米あたり1.5万円
- 葺き替え工事:1平米あたり2.5万円
なお、これらの費用はあくまで目安であり、実際の費用は屋根材の種類や状態、施工内容によって異なります。また、現地調査を行った後に正確な見積もりが提示されます。
外壁の修繕費の目安
外壁の修繕工事では、塗装と改修工事を行います。
・塗装
塗装は、外壁の表面を保護し、美観を保つために行います。50坪の外壁の場合、ウレタン塗料で70万円~、シリコン塗料で80万円~、高機能性塗料で90万円~が目安です。
・改修
改修は、外壁材の損傷や劣化を修復するために行います。外壁カバー工法は、既存の外壁材の上に新しい外壁材を重ねて施工する方法です。1平米あたり1.8万円~が目安です。張替え工事は、既存の外壁材を全て取り替えて新しい外壁材を施工する方法です。1平米あたり2万円~が目安です。
倉庫の修繕の理由
ここまで倉庫の修繕のタイミングや修繕費について解説しました。しかし、そもそもなぜ修繕が大事なのでしょう。ここからは、その理由について解説します。
資産を守るため
建物は、資産価値を持っています。しかし、外的要因や老朽化によって劣化すると、その資産価値は失われてしまいます。そのため、建物の資産価値を維持するためには、定期的なメンテナンスや修繕が必要です。築年数の長い建物の場合、断熱補強や遮熱塗料などにより、機能性や資産価値を向上させることもできます。
企業のブランド維持
倉庫は、企業の顔のひとつです。そのため、倉庫の外観や内観が雑多で汚いと、企業のブランド力を低下させてしまう可能性があります。定期的にメンテナンスや改修を行い、外観や内観にこだわることで、企業のブランド維持および向上につながります。
働きやすい環境の用意
倉庫の劣化は、従業員の働きやすさにも影響を与えます。内観が汚かったり、劣化がひどかったりすると、従業員のモチベーションが低下し、トラブルの原因にもなります。
定期的なメンテナンスや修繕を行い、倉庫をきれいにすることで、従業員のモチベーション向上やトラブルの解消につながります。また、遮熱塗料や断熱補強による暑さ対策は、従業員の働きやすさの向上にも効果的です。
長期的観点でのコストカット
倉庫は、熱気がこもりやすく、夏場は危険な暑さになることがあります。そういった場合、エアコンや空調設備を整える必要がありますが、費用や電気代がかさんでしまいます。
遮熱塗料を使うと、建物内の気温上昇を抑えられ、設備費用や電気代の節約が可能です。月々に削減できる費用は少ないものの、長期的な観点で見た場合、大幅なコスト削減につながります。
改修工事の際に業者を選ぶコツ
質の悪い業者を選んでしまった場合、全てが無駄になると言っても過言ではありません。ここでは、業者を選ぶ際のコツを3つ紹介します。
修繕に関する実績の有無
倉庫のメンテナンスや改修を依頼する際は、まず実績があるかどうかをチェックしましょう。実績が豊富な業者は、その分野に精通しているため、安心して任せることができます。また、高品質なメンテナンスや改修をしてくれる可能性が高いです。
実績は、業者のホームページやSNSなどで確認することができます。施工事例やこれまでの実績が掲載されていない場合は、選ぶのを控えたほうが良いでしょう。
見積もり内容の記載が詳細
メンテナンスや改修工事の費用は、業者によって大きく異なります。そのため、見積もりの内容が詳細に記載されているかどうかも重要です。
大まかな見積もりしか作成しない業者は、作業内容や費用の内訳が不明瞭です。そのため、適正な費用かどうか判断しづらく、トラブルに発展する可能性もあります。
見積もりの段階から、作業内容や費用の内訳を明確にしてくれる業者を選びましょう。
担当者の対応が丁寧
倉庫のメンテナンスや改修は、施工業者と相談しながら進めていくことが多くなります。そのため、担当者の対応も重要なポイントです。倉庫の修繕は、頻繁に行うものではありません。そのため、不明点や不安点が出てくることもあるでしょう。
質問に対して丁寧に答えてくれる担当者であれば、安心して依頼できます。また、アドバイスをしてくれる担当者であれば、より良い仕上がりにつながるでしょう。
まとめ
倉庫のメンテナンスや改修は、企業にとってさまざまなメリットがあります。そのため、定期的に見直すことが大切です。また、作業員のモチベーションにも影響を与えます。
改修を行う際は、業者選びも慎重に行いましょう。費用の明確化や、実績の有無、担当者の対応を基準に、信頼できる業者を選ぶことが大切です。
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