貸倉庫の契約にお悩みではありませんか。普段見慣れない契約書の確認は骨が折れる作業でしょう。いい条件の倉庫が見つかっても、契約内容で後悔する可能性もあります。この記事では、新たに貸倉庫の契約を結ぶ事業者の方に向けて、貸倉庫の契約内容や、借りる際の注意事項について解説します。
貸倉庫の契約書は2種類
貸倉庫の契約書には、倉庫賃貸借契約と倉庫寄託契約の2種類があり、貸倉庫を契約する際は、どちらかを契約しなくては借りられません。ここでは、2種類の契約書についてそれぞれ詳しく紹介します。
倉庫賃貸借契約書
倉庫をそのまま一棟、もしくは一部分のスペースを借りる契約です。荷物の保管場所を借りるだけなので、荷物管理は借主が行わなければなりません。毎月定額で借りたスペースを占有できるので、コストの変動があまりないところもメリットといえます。
3年以上で契約を求められることが多いので、しばらく保管が必要な荷物が発生した場合はこちらの契約がおすすめです。
倉庫寄託契約書
倉庫業を経営するために国土交通大臣の認可を受けた「営業倉庫」限定の契約です。倉庫会社に保管料を支払い、荷物を預かってもらいます。いわば荷物の保管契約であり、料金を上乗せすれば梱包やピッキングなどもお願いできます。
荷物管理を行うのは、保管義務がある貸主・運営会社です。営業倉庫は設備も倉庫業法が定める条件をクリアしているので、安心して荷物を預けられます。
契約書に記載されているもの
貸倉庫を契約するにあたり、契約書に必要事項を記入しなければなりません。ここからは、契約書に記載されている内容を解説します。
個人情報
契約書には氏名・住所・電話番号・勤務先などの個人情報を書く欄があります。契約を取り交わし、金銭の授受も行われるため、緊急連絡先や契約者との続柄を書く欄もあります。
自分の大切な荷物を置くスペースを借りたり、荷物の管理を委託したりするので、いざというときのために正確に個人情報を書いておきましょう。
禁止事項
貸倉庫を利用する際には、禁止事項をよく確認する必要があります。禁止事項には、現金や高価な品物、火器などの危険物、においが強い物などがあります。これらの物は預けても、補償がされない可能性があるため注意が必要です。
また、貸倉庫は住居として利用できません。契約書に居住や宿泊が禁止事項として記載されている場合が多いため、事前に確認しておきましょう。
荷物の保証制度
大切な荷物を預けるため、貸倉庫を選ぶ際は、補償の有無を確認することが重要です。台風や大雨による浸水・火災による焼失・盗難などのトラブルに備え、貸倉庫側がどのような補償を行っているのかを契約書で確認しましょう。
寄託契約の貸倉庫は、国土交通省の認可を受けているため、火災保険への加入が義務付けられています。一方、賃貸借契約の貸倉庫の場合は、保険への加入は任意です。契約時に自動的に加入するものや、オプションで加入するものなど、さまざまな形態があります。オプションで加入する場合は、追加料金がかかります。
保険に加入する際は、補償の範囲や金額を必ず確認しておきましょう。自身で汚損・破損させた場合や、預けてはいけない物の補償は原則として行われません。
契約期間・解約方法
貸倉庫を解約したい場合は、解約理由を申し出て、3〜6カ月前の解約予告をする必要があります。即時解約はできないため、使わなくなりそうな場合は早めに連絡しましょう。また、契約期間途中で解約する場合は、解約金がかかる場合があるので、契約書をよく確認しておきましょう。
契約時に注意するポイント
契約書には必ず目を通しておきましょう。また、契約書以外にも注意しておくべき点はいくつかあります。ここからは、契約時の注意事項を解説します。
審査の有無
貸倉庫の契約には、審査があるものとないものがあります。審査では、年齢や勤務先などの情報がチェックされるものの、住居を借りるときに比べると簡易的です。
なお未成年者は貸倉庫を契約できません。また、住所や収入、銀行口座がない場合、過去に滞納などの問題を抱えている場合も、審査に通らない可能性があります。
また、すべての貸倉庫に審査があるわけではありません。審査が不安な場合は、審査なしで契約できる貸倉庫を探すのも一つの方法です。ただし、審査なしの貸倉庫は、未成年者や支払い方法が現金のみなど、制限がある場合が多いため、事前に確認しておきましょう。
契約にかかる料金
貸倉庫を契約する際には、初期費用と月額賃料の2種類の料金がかかります。
初期費用には、敷金、礼金、保証金の3つがあります。一般的には、礼金は賃料の1か月分、敷金と保証金は賃料の3~6か月分です。賃料が高いほど初期費用も高くなり、都心部ほど高額になります。また、敷金と保証金は原則として返金されますが、礼金はほとんどの場合返金されません。
月額賃料は、倉庫の面積や立地、設備などの条件によって異なります。屋内型よりも屋外型の方が安い傾向があります。また、坪単価を用いて、大まかな相場を計算することも可能です。
坪単価と建物の面積をかけると、貸倉庫の賃料がわかります。中には都心や工業地域に倉庫があるなどの理由で、計算より賃料が高く設定されている場合もあるため注意しましょう。
まとめ
貸倉庫は、その形態や契約の内容、賃料にいたるまでさまざまです。自分の預けたい物やどの程度重要な物であるかを考えて、適切な貸倉庫を借りると無駄がなくて済むでしょう。注意事項にも気を付けて、自分に合った貸倉庫を探してみてください。
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