倉庫の防虫対策の方法とは?主な虫被害や原因、効果的な防虫対策の方法を解説

倉庫の防虫対策は、異物の混入や衛生レベルの低下を防ぐうえで必須の課題です。防虫対策をするには害虫駆除の専門業者への依頼がベストですが、コスト面を踏まえて躊躇する方も多いのではないでしょうか。この記事では、主な虫被害や原因、効果的な防虫対策の方法を解説します。

倉庫で起こる虫被害とは

倉庫で起こる虫被害には、下記のようなものがあります。

  • 異物混入の危険性
  • 衛生レベルの低下
  • 虫による健康被害

商品に虫が混入すると、異物混入により信頼が落ちるリスクがあります。

また、害虫による健康被害も懸念され、害虫は感染症の原因となるウイルスや病原菌を媒介します。病気や感染症の原因になるので、倉庫内で作業する利用者にも被害が及ぶでしょう。

倉庫内で起こる虫被害の主な原因

倉庫内で起こる虫被害の主な原因は「外部からの侵入」と「倉庫内で発生」があります。虫の侵入経路や発生源を知ることは、虫対策をするうえで非常に重要です。それでは、どのように虫が外部から侵入するのか、また倉庫内で発生するのか具体的に紹介します。

外部から害虫が侵入

搬出入口など外部と接している箇所からの侵入です。倉庫内の光・臭気・熱源に誘引され、侵入します。また、倉庫に出入りする搬入物・人に付着して侵入するケースもあるでしょう。外部から侵入する主な害虫は以下のとおりです。

飛翔性 イエバエ、クロバエ、ユスリカ、ニクバエ
歩行性 ダンゴムシ、アリ、ワラジムシ

参考:一般財団法人食品産業センター

内部で害虫が発生

倉庫内で害虫が発生する原因は、外部から侵入した害虫の倉庫内繁殖により起こります。虫が好む環境が整っていたり、エサがあったりすると爆発的に増えるでしょう。

また、湿度の高い場所はチョウバエやノミバエが発生しやすい環境です。少し湿った汚れのある場所に産卵して、そこで生育して成虫になり、また汚れた場所を見つけて産卵します。外部から侵入する害虫とは違って、局所的に発生するのが大きな特徴です。内部で発生する主な害虫は以下のとおりです。

湿潤環境 チョウバエ、チャタテムシ、ショウジョウバエ、ノミバエ
乾燥環境 シバンムシ、コクゾウ、ダニ

参考:一般財団法人食品産業センター

倉庫の防虫対策でおすすめの方法

倉庫の害虫被害の多くは外部からの侵入です。外部からの侵入防止が、効果的な防虫対策といえるでしょう。しかし、防虫カーテンの管理不良やシャッターがきちんと閉まらないなどが原因で、害虫が侵入してしまうケースもあります。まずは、現在の設備に不具合がないかの確認から始めると良いかもしれません。

それでは、倉庫における防虫対策で効果的な方法を紹介します。

防虫ブラシの導入

防虫ブラシとは、ドアやシャッターの隙間を塞ぐ、細長いブラシ状のものです。ドアやシャッターの動きに合わせて柔軟に動き、隙間をなくします。ドアの場合は下部、シャッターの場合は両サイドに導入して虫の侵入を防ぎましょう。

電撃殺虫器の設置

電撃殺虫器とは、多くの虫が好む光でおびき寄せ、電流の流れている電撃格子に接触させ殺虫をする設備です。出入口から離れた場所に設置すると、出入口に集まる虫を減らす効果があります。しかし、光に集まらない害虫には効果がありません。

給気装置の導入

倉庫内を陽圧化すると、外部からの虫の侵入を防げます。陽圧化とは、倉庫内の気圧を外部より高くし、空気圧によって虫が外部から入りづらくする方法です。倉庫の気密化や出入口のドアを二重化すると、より高い効果が得られます。

虫の発生を予防する方法

倉庫内の虫対策には殺虫剤や防虫スプレーがありますが、効果は一時的なものに過ぎません。ここでは、虫の発生を予防する方法を2つ紹介します。

清潔に保つ

倉庫内を清潔に保てると虫の発生を予防できます。なぜなら住みかに適した空間と、十分なエサがなければ害虫は繁殖できないからです。つまり、倉庫内を清潔に保ち虫が生きるために必要なエサと隠れ家を奪います。

また、防虫スプレーには即効性がありますが、効果は一時的で限定的なものです。効果がなくなると、また虫が発生してしまいます。防虫スプレーが必須な環境というのは、防虫対策が十分とはいえません。恒久的な対策のために、倉庫内の清潔保持が不可欠です。

湿気を防ぐ

湿気を防ぐと、チョウバエやノミバエの発生を抑えられます。湿気がある汚れた場所は、チョウバエやノミバエの好む環境です。できる範囲で換気を心がけ、除湿剤や除湿器を使い湿気を防ぎましょう。

しかし、倉庫は面積が広いので換気効率が悪く、湿気がたまりやすい環境です。また、倉庫内は基本的に窓が少なく日当たりも悪いかもしれません。そのような場合は、倉庫での使用を想定した業務用の除湿器を使えば、効果が期待できるでしょう。

専門業者への依頼がおすすめ

最も効果的な方法は専門業者への依頼です。業者は害虫駆除の専門的な知識と作業経験があるからです。倉庫の状態や周辺環境をもとに虫の種類や侵入経路を分析して、効果的な対策をしてくれるでしょう。

害虫駆除の相場は、虫の種類や規模、倉庫の広さや補修の有無によって異なります。作業内容の説明があるか、害虫駆除の実績はあるか、害虫駆除後の保証はあるかなどを比較検討したうえで、専門業者を決めてください。

まとめ

主な虫被害や原因、効果的な防虫対策の方法について解説しました。効果的な防虫対策の方法は下記のとおりです。

  • 防虫ブラシの導入
  • 電撃殺虫器の設置
  • 給気装置の導入

ですが、防虫対策の基本は倉庫内を清潔に保って湿気を防ぐことです。殺虫剤や防虫スプレーは即効性がありますが、効果が一時的で限定的なものになってしまいます。つまり、虫の被害にあってから対策するのではなく、虫がこないよう予防するのが重要と言えるでしょう。




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