工場の解体費用の相場とは?費用を安く抑える方法や解体の流れも含めて解説

工場の解体にお悩みではないでしょうか。頻繁に発生することではないので、工場の解体費用といっても、どの程度の費用がかかるのかイメージがつきにくいでしょう。また、大きな建物を解体するための時間が気がかりな方もいると思います。この記事では、工場の解体方法や、その手順・解体費用を抑えるコツなどを含めて解説します。

工場の解体費用は坪単価と工期の2点がポイント

工場の解体費用は、解体する工場の平均的な解体の坪単価と工期を踏まえて見積もります。

坪単価

解体費用を見積もる時は、一般的な家屋のケースと同じく、坪単価で費用を算出できます。

木造:1坪あたり1. 5万~2.5万円
鉄骨造: 1坪あたり2万~3万円

なお、70坪以上ある工場では規模が大きい分、解体工事費用は割安になる傾向があり、10坪未満の工場では坪単価は高くなります。以下は解体工事においての坪単価での相場です。

工期から解体費用を見た場合

工場の解体の工期は、業者を選定の選定から手続きまでの全工程を踏まえると、長期にわたります。工期が長引くにつれ人件費はかさみ、解体費用は高額になります。また、各建物の構造も、解体時間が長くなったり、短くなったり、工期に影響します。

解体費用において価格差が出る理由

解体会社による解体工事の人件費は、差がない傾向にあります。しかし、解体する壁材や床材により、解体にかかる費用は変わります。

例えば、アスベストが使われていた1960〜1970年代前半に建てられた建物の解体には、飛散を防ぐために特殊な処理技術が使われます。そのため、建物の解体工事には、1平米あたり2万円前後の追加費用が必要です。

また、解体工事から現場周辺を守る養生のための費用・植栽の撤去・外構部分の撤去費用がプラスされると、解体価格はより高くなります。

できるだけ解体費用を安く抑えるためには

工場解体工事での費用は、少しの手間をかける事で削減できます。以下の3点がコスト削減のポイントになります。

・中間マージンがかからない業者を選ぶ
業者が下請け業者に工事をさらに依頼する際は、中間マージン(手数料)がかかります。自社施工の会社に工事を依頼することで、この手数料を節約できます。

・業者を相見積もりで比較する
複数業者からの見積もり取得により業者の比較検討ができ、好条件の業者を探す方法が「相見積もり」です。見積もりを本来より高く出す悪徳業者に引っかからないためにも、業者の比較検討ができる相見積もりは有効でしょう。

・工事時期の相談をし、自廃棄処分を自社で行い節約
繁忙期を避けた工事依頼により、工事費を安くしてくれる業者があります。また、不用品の廃棄処分や庭木撤去を自社で行えると、より工事費用を節約できます。

工場を解体する際の工事期間

一般的に、解体工事決定から工事完了まで約2~3カ月かかります。工場解体は、建物の規模が大きいため、準備と実際の工事に多くの時間を要します。また、解体工事自体は、取り壊す工場の規模により期間が左右されます。工事までの主な流れとしては以下の通りです。

  1. 解体業者を選ぶ:1か月程度
  2. 残置物の整理をする:2週間程度
  3. 仮住まいの手配をする:1か月程度
  4. ライフラインの撤去をする:2週間程度
  5. 工事着工前の手続きをする:1週間程度
  6. 解体工事:2週間程度

工場の解体業者選定のポイント

 

工場解体の見積もりを依頼する業者選定においてのポイントを紹介します。

・解体に必要な資格を持っている
「建設業許可」や「解体工事業登録」といった資格を持っているかどうかが、目安になります。

・地中埋設物に対する対応ができるか
地中埋設物が発見された場合は、工場解体費の追加費用の対象となり得るため、トラブルになりがちです。この際の連絡先や対応などが明確であれば、工事会社の経験豊富さを知る術になります。

・事故に対する保険に入っているか
解体工事を行う会社は基本的に、事故が起きたときの対処として保険に入っています。この保険には厳しい審査があるため、もし加入していれば、信用できる会社という証明になります。

・契約書の締結があるか
解体工事を開始する前にさまざまな事項についての契約を締結することが、後のトラブル防止につながります。

・工事の実績が豊富か
作業スピードが早ければ工期も短縮され、工事費用も節約できます。工事スピードは、工事会社に解体のノウハウがあるかどうかで変わるため、その見極めが大切です。

大規模な工場・プラント設備の解体には何が必要?

解体の依頼をする際には、「重機の扱い」「プラント構造の理解」「有害物質の理解」といったスキルを満遍なく持った業者が理想的です。相見積もりによって業者を比較し、有能な解体業者を見極めましょう。

工場やプラントの構造、解体手順についてよく理解する

プラント設備は、ほとんどの場合建物と違った構造をしています。そのため、プラント設備の解体実績がある業者は、外観などから建物の構造を読み取る力が必須です。

経験値の高い業者に依頼する

経験豊富な解体工事の業者は、工場の資料から構造を読み取り、解体手順を割り出し、正確な見積もりを出します。また、不測の事態への対処能力に優れています。

大型重機を持っている業者に依頼する

プラント設備を取り壊すためには、大型の重機が必要です。ロングブームや3ピースアーム車と呼ばれる重機を所有している業者に工場解体を依頼しましょう。大型重機に慣れている業者でなければ、予期せぬ事故により工期を伸ばしてしまう恐れがあります。大型重機を取り扱っての解体実績があるかどうかの判断は重要です。

有害物質の除去をする

アスベストが使用されているプラント設備は、解体時の有害物質の発生の恐れがあります。よって、有害物質に対しての経験が豊富な業者への依頼が賢明です。

まとめ

この記事では、工場解体においての費用相場や費用を安く抑える方法、また解体の流れなどを解説しました。工場にはさまざまな構造があるため、解体費用の算出は容易ではありません。そのため、複数の解体業者に見積もりを出してもらう方法がベストです。

プラント設備の解体においても、解体経験の有無がポイントになります。そのほか、重機を使いこなせるかも解体業者を選ぶ上では大切でしょう。総合的に判断して、信頼できる業者に工場の解体を依頼してください。




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