
倉庫を運営していく中で、害獣被害に悩まされるケースがあります。特に、ネズミ被害に悩まされているという方は多くいます。ネズミの対策や駆除方法についてわからず、困っている方も多いでしょう。
本記事では、ネズミが倉庫に与える被害から対策、駆除の方法まで解説します。駆除を業者に頼む場合の業者選びについても解説していますので、参考になれば幸いです。
ネズミが倉庫に与える被害
ネズミが倉庫に与える被害はどのようなものがあるのでしょうか。食害や衛生環境の悪化などについて、詳しく解説します。
食品倉庫などでの食害
ネズミによる最も多い被害が、食品倉庫にある保管中の荷物の食害です。ネズミはエサのえり好みをするため、一つの荷物だけをかじるのではなく、いくつもの荷物に穴をあけ食事をします。こうなると、一つひとつの荷物に穴が開いていないか確認し、開いている荷物は処分しなければなりません。
また、ネズミの歯は伸び続けるため、常に何かをかじることで削っています。家具や絨毯などもかじるため、高額な荷物が狙われると倉庫会社の経済的損失になるかもしれません。
排泄物などからの衛生環境悪化
ネズミは様々な病原体やダニ、寄生虫を媒介します。ネズミの排泄物から直接感染することもあれば、食品や液体に混入し感染するケースもあります。特に食品倉庫ではネズミが荷物に接触するだけでも病害などの問題を起こすこともあり、現状では廃棄処分するしか手だてがありません。
またダニは寄生対象がいないと移動します。そのため、倉庫内で働いている人に寄生することも考えられます。
機械やケーブルがかじられる
機械やケーブルをかじられる被害も珍しくありません。ネズミは歯を削るために、手当たり次第にかじるため、ケーブルも標的になります。かじられたケーブルを放置しておくと、そこから火花が出て、火災につながる恐れがあるため危険です。
近隣への移動と風評被害
ネズミは1回の出産で何匹も産むため、エサや環境が整っていれば1年で100匹に達することもあります。逆に、エサが足りなくなれば、繁殖したネズミは別の場所へと移動していくでしょう。倉庫で繁殖したネズミが近隣の住宅へと拡散していくイメージです。倉庫からネズミが出てきているといううわさが立てば、企業のイメージに悪影響を及ぼすでしょう。
倉庫のネズミ対策
倉庫にネズミが現れないように対策するにはどのようにすれば良いでしょうか。ネズミの侵入対策について解説します。
エサになるものを置かない
倉庫にネズミが侵入する主な原因はエサの存在です。食品倉庫では必ず容器に食品を入れるなど、食品の丁寧な扱いを徹底しましょう。紙や箱、柔らかいプラスチック容器ではかじられて穴が開くので、容器の素材にも注意が必要です。また、蓋つきのゴミ箱を使用し、生ごみのにおいを拡散させないようにするのも、対策の一つです。
一般的な食べ物のみならずペットフードや肥料、せっけん、植物などもネズミのエサとなります。これらを扱う場合でもネズミが侵入してくる恐れがあるので、管理を徹底しましょう。
ネズミの巣を作らせない
ネズミは、段ボールや布類などを巣の材料にします。使用済みの段ボールや梱包材、あまり使わない資材は、放置せずにすぐ処分しましょう。また、巣を作る場所を点検することも有効です。倉庫の隅や棚の裏などはこまめに点検し、巣を見つけたら撤去することが大切です。
侵入経路を全てふさぐ
外壁のひび割れや配管、換気扇の隙間など、小さな穴や隙間があれば、ネズミはそこから倉庫内に侵入してきます。ネズミ対策では侵入経路をふさぐことが重要です。
隙間をふさぐ際、防虫ネットやビニールではかじられてしまうので、金網や鉄板など、堅い素材のものを使いましょう。
また侵入口を特定するためには、ネズミの痕跡を探しましょう。ネズミの痕跡としては、通った跡、黒っぽい汚れや排泄物、ものをかじった跡などがあります。
もし倉庫にネズミが出てしまったら
もしネズミが倉庫に出てしまったら、どうすれば良いのでしょうか。ここからは、駆除の方法を一通り解説します。
最初にネズミの発生原因と種類を特定する
ネズミの発生原因と種類を特定することは、ネズミ駆除の第一歩となります。
例えば出入口からネズミが侵入し、人の往来が無い場所に住みつき、繁殖を繰り返している場合、まずは出入口をふさぎ、その後巣を片づけてから駆除すると効率が良いでしょう。
また、ネズミの種類を特定できれば、生態に合わせた効果的な方法で駆除できます。
捕獲して駆除する
ネズミの捕獲には、粘着式シート型のネズミ捕りやネズミ用のかごを使用します。
最も手軽なのは粘着式シート型で、捕獲したネズミを効率よく処理できます。ネズミが出没する場所やネズミの通り道では、ネズミの警戒心が薄れているため、そういった場所を狙い設置するのがポイントです。
粘着式シートを多数設置すれば捕獲率が上がり、また、仕掛ける場所からエサとなる生ごみや食品を遠ざけておくと、ネズミの通り道が長くなるのでさらに捕獲率が上がります。
毒エサや薬品で駆除する
毒エサや殺鼠剤を使用する駆除方法です。最初に無毒のエサを置き、エサ場の位置をネズミに認識させます。しばらく同じ位置に置き続けることでそのエサを食べやすくなるので、そこで毒エサを混ぜれば効果的に駆除できます。
毒エサや殺鼠剤を食べる確立を上げるために、周囲にほかにエサになるものがない状態にしておきましょう。
毒エサや殺鼠剤には、1度や数回の摂食で効果が表れる急性毒剤と、数日間の摂食で効果が表れる累積毒剤があります。
忌避剤で追い出す
忌避剤は、ネズミが嫌がる環境を作る薬品です。ネズミが嫌うにおいを発して、倉庫から追い出すことを目的としています。その他にも、ネズミを傷つけるトゲ付きプレートや、嫌がる周波数の超音波を出す撃退機など、様々な忌避具があります。
ただし倉庫内のエサが豊富な場合、どれも効果がないこともあります。忌避剤が切れた際にネズミが戻ってくるケースも考えられます。他の駆除方法と組み合わせるとより効果的です。
業者に駆除を依頼する
費用はかかりますが、最も確実なのは業者に依頼する方法です。専門知識を持ったプロが、倉庫内だけでなく外部環境も徹底的に調査し、専用機材や薬剤でネズミを駆除します。
また、ネズミを駆除するだけでなく、その後の対策として侵入通路を閉鎖する工事も行います。
ネズミの種類と駆除のポイント
ネズミにはどのような種類がいるのでしょうか。それぞれの特徴と、駆除のポイントについて解説します。
クマネズミ
クマネズミは全国的に広く分布し、主に都市部のビルなどに多く見られます。体長は尻尾も含めて約14~24cmで、色は黒色から茶褐色です。耳が大きく、尻尾も長いのが特徴です。
垂直の壁をよじ登るのが得意で、ビルや天井裏などで生活します。泳ぎは苦手ですが、綱渡りが得意で電柱や電線を伝って家屋に入ります。
臆病で警戒心が強いため、捕獲が困難です。またスーパーラットと呼ばれる、殺鼠剤に耐性のある個体もいます。スーパーラットの駆除には、第2世代の殺鼠剤(スーパーラット用殺鼠剤)を使うと良いでしょう。
ハツカネズミ
ハツカネズミも全国に広く分布し、水田や畑、草地などの自然環境や家屋、積みワラで生活します。体長は尻尾も含めて約9~17cmと小さく、色は褐色や黒色です。耳が大きく、特有のにおいを発します。
動きが速く、家屋では家具の隙間、外では他の動物が掘った穴を巣にします。クマネズミと同様に、泳ぎは苦手ですが綱渡りが得意です。
殺鼠剤は効果的ですが、効果が出るまで時間を要します。好奇心旺盛なので、粘着式シートや捕獲かごが有効な場合もあります。
ドブネズミ
全国的に広く分布し、河川や海岸などの湿った場所で生活します。都市部では下水や台所など、水がある場所を好みます。体長は尻尾も含めて約18~28cmです。耳は小さく、尻尾が短いので体が大きいのが特徴です。
泳ぐのは得意ですが、高いところに登ったり綱渡りしたりするのは苦手で、床や地面を平面的に移動します。
罠や殺鼠剤、毒エサはどれも効果があります。ただし、獰猛なため罠にかかったドブネズミに噛まれないよう注意が必要です。また、体が大きいため少量の毒エサでは効果が出にくい場合があります。
駆除を依頼する際の業者選びのポイント
駆除を依頼する場合、どのように業者を選べば良いのでしょうか。そのポイントについて、詳しく解説します。
ペストコントロール協会に加盟しているか
ペストコントロールとは、人にとって有害な生物の活動を、人の生活を脅かさない程度に制御する技術を指します。
ペストコントロール協会とは、有害生物に関する調査研究をしたり、防除技術に関する研修と技術の指導などをしている公益社団法人です。ペストコントロール技術者の養成と認証をするなど、駆除業者の知識と実力を保証するための様々な取り組みが行われています。
入会には身元を明らかにする必要があるので、協会に加盟している業者は一定の信頼性があるといえるでしょう。
駆除実績が豊富か
駆除実績が豊富な業者は、実際の現場を多く見ており、ネズミの侵入経路を熟知しています。現場の状況に合わせ、無駄なく駆除を行ってくれるでしょう。特に口コミサイトには業者を利用した人の声が掲載されているため、業者選びの参考になります。
アフターフォローが充実しているか
業者選びの際には、万が一に備えて保証が充実している業者を選びましょう。保証期間が長ければ、それだけネズミ駆除に自信がある実力のある業者だと考えられます。
一方、簡易的な対策しかいない・保証時は追加の手数料が必要な業者も存在します。保証期間の長さだけでなく、サービスの内容も必ず確認しましょう。
現地見積もりはあるか
見積もりの前に、事前に現地調査を実施する業者かを確認しましょう。事前調査がない場合、施行の途中で追加作業を求められ、見積もりを超える場合があります。
また見積もりの内容を書面に残してくれない場合も、追加の費用を請求される場合があります。現地調査・見積もりを無料で行ってもらえるかについても、事前に問い合わせをしましょう。
まとめ
ネズミ被害というと食品系を想像しがちですが、ネズミはそれ以外の物もかじってしまいます。ネズミ被害は企業活動に大きな打撃を与えるので、対策は必須です。もしネズミがいる痕跡を見つけたのであれば、本記事を参考に早めに対策しましょう。

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