倉庫内の保管物を守る!ネズミ発生対策と予防方法を解説

倉庫内の狭い場所にネズミが発生することがあります。ネズミは、硬いものをかじったり、糞や汚れで衛生状態を悪化させたり、さまざまな被害をもたらすため、対策と予防が必要です。

ネズミの侵入を防ぐためのグッズや、こまめな掃除など、自分でできる対策があります。ネズミが発生する前に、これらの対策を講じることで、ネズミの被害を防ぐことができます。

この記事では、ネズミが発生する原因や被害、予防策や対策について、詳しく解説します。

なぜ倉庫にはネズミが出るのか

倉庫にネズミが出没する原因は、食料を保管する施設である場合や、侵入可能な出入口があることなどさまざまです。予防していなければ商品をかじって損壊されたり、フンで倉庫や商品を汚されたりと大きな被害が生じます。

主なネズミ被害とその影響

ネズミは、前歯が永久に伸び続ける特性から、ものをかじって歯を削ろうとします。そのため、倉庫内の食料や段ボールだけでなく、硬いケーブルや配管をかじり、施設に甚大な被害を及ぼすことがあります。また、ネズミの体にはウイルスや雑菌が大量に存在するため、衛生的にもよくありません。

ここでは、ネズミが倉庫に及ぼす被害とその影響を解説します。

ガス漏れや火災

倉庫内にガス管や電源ケーブルが敷き詰められている場合は、ネズミがそれらをかじってガス漏れや漏電を起こす恐れがあります。ガス漏れや漏電は火災の原因にもなるため、施設を保護するという意味でもネズミ対策が必要です。

経済的被害

ネズミは、硬い物のほか、段ボールやその中に入っている食品も食べてしまいます。また、ネズミが商品に触れることで商品が傷つき壊れてしまう場合もあります。そのため、倉庫にネズミが出ないように対策をしておくことが重要です。ゴミ箱がある場合は蓋つきのゴミ箱を選び、ごみの臭いを防ぐ予防策も考えましょう。

健康的被害

ネズミの体には、ウイルスや病原菌が数多く存在します。これらの病原体は、人体へ影響する場合もあり、健康を害す一因となってしまいます。また、ネズミのフンや油汚れ(ラットサイン)を残すため、倉庫自体も不衛生になってしまいます。

ほかの動物も寄ってくる

ネズミが発生してしまうと、ネズミを捕食するほかの動物も寄ってきやすくなります。カラスやネコ、蛇が寄ってきてしまうと安全に倉庫内作業が進まない可能性があります。ネズミ発生を予防することは、このような事態の予防にもつながるため、ネズミがいる証拠を見つけたら徹底的な対策をしましょう。

倉庫内のネズミ対策

ネズミは上項のような甚大な被害をもたらすため、徹底した対策が必要です。ここからは、ネズミ発生の対策を詳しく解説します。

捕獲して駆除する

ネズミの捕獲や駆除には、粘着式シート型のネズミ捕り(とりもちがついたネズミ捕り)やネズミ用のかごが用いられます。

最も手軽なのは粘着式で、捕獲したネズミを効率よく衛生的に処理できます。ネズミがよく出没する場所やネズミの通り道では、警戒心が薄れているため、そのような場所を狙って設置するのがポイントです。

また、仕掛ける粘着式のわなを数か所に設置することで、捕獲率を高めることができます。仕掛ける場所から、エサになりうる生ごみや食品を遠ざけることで、ネズミの通路が確保でき、捕獲率が上がります。周囲からエサになるものを遠ざけて、確実に追い出すようにしましょう。

忌避剤を使用する

忌避剤には主に3つのタイプがあります。いずれもネズミを殺すためのものではなく、ネズミにとって嫌な環境を作るためのグッズです。

  • スプレータイプ
    ネズミにとって嫌な臭いを発するスプレーです。ネズミに直接吹き付けたり、通り道や荷物に吹き付けたりすることで、ネズミを追い払うことができます。
  • 燻煙タイプ
    薬剤が水に反応することでネズミが嫌がる煙を発生させ、ネズミを追い出せる忌避剤です。ネズミがどこにいるのかわからない場合やスプレーがしづらい狭い場所にも煙が届くため、広範囲かつ細かい部分にも使用できます。
  • 設置タイプ
    ネズミが嫌がる成分が含まれたゲルを、ネズミの通り道や巣の近くに設置することで追い出す忌避剤です。巣・通り道がわかっている場合、そこに寄せつけにくくする効果があります。侵入口になりそうな場所(換気扇や水道の配管など)に配置することで、侵入防止にもつながります。

殺鼠剤や毒エサを使用する

毒エサや殺鼠剤を使用した対策方法です。まずは無毒のエサを与え、エサ場の位置をネズミに認識させます。しばらく与え続けたら定期的にそのエサを求め食べやすくなるため、そこに毒エサを混ぜることで効果的に処理できます。

毒エサを与える際は、周囲にほかのエサがあると毒エサや殺鼠剤を食べる可能性が低下するため、こまめに掃除しておきましょう。毒エサ・殺鼠剤の効果は2つあり、1〜数回の摂食で効果が現れる「急性毒剤」と、数日間の摂食で効果が現れる「累積毒剤」があります。すぐに駆除したい場合、急性毒剤を選ぶと良いでしょう。

業者に駆除を依頼する

すぐにネズミを駆除したいときや、自分で対処が難しい場合は業者に依頼するのも有効な手段です。業者であればネズミの生態を熟知しているため、状況や場合に対し臨機応変に対策してくれます。業者を選ぶ際のポイントとして、以下の3つが参考になるでしょう。

  • 複数業者から見積もりを取る
  • 保証の有無を確認する
  • ホームページに記載されている過去の実績・事例を確認する

また、問い合わせ・見積もりをする際には、どのような作業が行われるのかを聞いてみることをおすすめします。作業工程を複数業者から聞けば、業者の品質を見極められます。その上で依頼料や実績、保証の有無を確かめ、業者を絞り込んでいくと良いでしょう。

ネズミ発生を予防する方法

倉庫にネズミを発生させないためには、事前にできる予防策を講じる必要があります。ここからは、ネズミ発生を予防する方法を詳しく解説します。

エサになるものをおかない

倉庫内にネズミが侵入する主な原因は、エサの存在です。食品を扱う倉庫では、食品を容器に入れるなど、食品の丁寧な扱いを徹底しましょう。また、蓋つきのゴミ箱を使用し、生ごみの臭いを拡散させないようにしましょう。

さらに、ペットフードや肥料、植物などもネズミのエサになります。食品を扱っていなくても、ネズミは発生しうるので、管理を徹底しましょう。

ネズミの種類を特定する

ネズミの種類を特定することは、ネズミ対策の第一歩です。日本の屋内に侵入してくるネズミの種類は、大きく分けて「ハツカネズミ」「ドブネズミ」「クマネズミ」の3種類です。

扱っている商品や倉庫の立地によって、出現するネズミの種類は異なります。郊外の倉庫にはハツカネズミが多く見られ、家屋周辺ではドブネズミ、ビルや家屋の屋根裏にはクマネズミが出現します。

ネズミの種類を特定するには、ネズミの体格や外見、フンや尿の形状などを参考にします。

ネズミの巣を作らせない

ネズミは、段ボールや布類、ティッシュペーパーなどを巣の材料にします。使用済みの段ボールやあまり使わない資材は、放置せずに処分しましょう。また、生ごみや有機肥料は、蓋つきの容器に入れてすぐに処分しましょう。

ネズミの巣ができてしまうと、ネズミの繁殖力が増し、被害が拡大します。

侵入経路を全てふさぐ

ネズミは、小さな隙間からでも侵入できます。子ネズミであれば1.5cm前後、成体であれば2.5〜3cmほどの隙間から侵入可能です。

倉庫や家屋には、換気扇や電線の出入口、水道の配管など、たくさんの穴があります。これらの穴をすべてふさぐことで、ネズミの侵入を防ぐことができます。

また侵入口を特定するためには、ネズミの痕跡を探しましょう。ネズミの痕跡としては、通った跡、黒っぽい汚れやフン、ものをかじった跡などがあります。

まとめ

ネズミは密閉されていたとしても換気扇や配管から屋内に侵入できるため、事前の対策が必要です。また、侵入されたら追い出す方法や、駆除するための工夫を凝らさなければいけません。

あまりにも数が多い場合にはプロの業者に依頼する方法もあり、駆除を行ったあとも倉庫内を清潔に保つことが重要です。

ぜひこの記事を参考にしていただき、倉庫内の商品を守ることにお役立てください。




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