貸し工場の探し方とは?契約までの流れや効率よく探すコツも紹介!

製造業を始める際にはじめから工場を建てると、建設にかかる時間や費用が膨大になってしまいます。そこでおすすめなのが、貸し工場を借りる方法です。貸し工場なら初期費用を抑えてスムーズに営業を開始できます。しかし、どう探せばいいのかイメージしにくいかもしれません。

そこで今回は、貸し工場の探し方や契約までの流れを解説します。契約前の注意点も紹介しているので、貸し工場を効率よく探したい方はぜひ参考にしてみてください。

貸し工場の探し方は3つある

貸し工場は以下3つの方法で探せます。それぞれの特徴やメリット、デメリットを紹介します。

  • 取引先や物流会社に聞く
  • 不動産会社に相談する
  • インターネットで検索する

取引先や物流会社に聞く

まずは、取引先や物流会社に物件情報を聞く方法です。普段から不動産情報の共有をしている関係であれば、貸し工場の情報を入手しやすくなります。そのため、ほかでは扱っていないような優良物件や、希望に合った物件を紹介してもらえる可能性が高くなるでしょう。一方、取引先や物流会社が持っている情報量には限りがあるというデメリットもあります。

不動産会社に相談する

続いては、不動産会社に問い合わせる方法です。不動産会社なら、条件に合った物件を数多く紹介してもらえます。また工場選びの相談に乗ってくれたり、アドバイスをしてくれたりする場合もあります。ただし紹介数が多くなるからこそ、物件を絞りにくくなるのがデメリットです。手間がかかるものの、自分の目でしっかりと物件を見て、候補物件ごとに情報を整理・比較して決めましょう。

なお住宅地をメインとする不動産会社は工場の情報を持っていない可能性があるため、問い合わせの際は工場地帯にある会社を選びましょう。

インターネットで検索する

貸し工場探しにはインターネットの利用もおすすめです。不動産情報を掲載しているWebサイトを利用すれば、24時間いつでも貸し工場情報を閲覧できるうえ、店舗に行かなくても情報収集・内見予約が可能です。そのため、効率よく候補物件をリサーチできるのがメリットです。

ただし、インターネットサイト上では情報が反映されるまでに時間がかかる点に注意しましょう。最新情報を得るためにも、定期的な確認や問い合わせが必要となります。

貸し工場専門サイトの種類

貸し工場を探せるインターネットサイトは3種類に分けられます。

  1. ポータルサイト

ポータルサイトは、複数の不動産会社がそれぞれ物件情報を掲載しているWebサイトです。大規模なポータルサイトの場合、貸し工場のほかにも住宅や店舗、事務所や倉庫物件が掲載されているため、全体の物件数は群を抜いています。また不動産会社のほとんどが大手なので、掲載情報やサービス全体への信頼感があるのもポイントです。

ただしポータルサイトの性質上、内見や契約を進めたい場合は不動産会社ごとにやり取りする必要があるため、手間がかかる点に注意しましょう。

2.事業用物件の専門サイト

事業用物件の専門サイトでは店舗や事務所、倉庫や工場など、事業に必要な物件が揃っています。ポータルサイトとは異なり事業用物件に絞って選べるうえ、問い合わせにかかる時間や手間が比較的少なく済むのもメリットです。

一方で、取り扱うのは事業用全般の物件なので、貸し工場に精通したスタッフが対応できない可能性もあるため注意しましょう。また、すべての事業用物件から検索するためスピーディーな紹介が難しいケースもあります。

3.貸し工場や倉庫専門のサイト

貸し工場・倉庫を専門に取り扱うサイトなら、理想の物件に出会える確率が上がります。また自社でサイト運営していることが多い傾向にあるため、問い合わせから契約までを一貫しておこなえるのもメリットです。ただし工場や倉庫以外の活用を検討しているなら、別のリサーチ方法にする必要があります。

貸し工場を契約するまでの流れ

貸し工場を契約するには、以下4つのステップに沿っておこないます。

STEP1:目的に合った条件を決める

STEP2:貸し工場の候補を絞り込む

STEP3:内見を申し込む

STEP4:契約する

目的に合った条件を決める

まずは貸し工場を契約する目的をきちんと決めましょう。事業内容によっては、クレーンが必要になったりエリアが限られたりするなど、物件に求める条件が変わります。貸し工場を借りる目的を明確にしたうえで、細かな条件を設定するのがポイントです。

おもな条件として、間取りや使用開始の時期、立地やエリアなどが挙げられます。なかでも間取りについては、空調やその他設備の増設が可能か、空気の流れを確保できるかなど、事業をスムーズに進められるよう設定しましょう。

貸し工場の候補を絞り込む

借りる目的や条件を設定できたら、実際にリサーチして候補物件を絞り込みます。おおよそ2ヶ月前を目安に探し始めると良いでしょう。

なお事業用物件の数は、賃貸住宅ほど多くはありません。またクレーン付きや天井が高い工場などの希少な物件は人気が高く、すぐに契約が決まってしまう可能性があります。気になる物件が見つかったら早めに問い合わせましょう。

内見を申し込む

間取り図や写真だけでは分からない部分も多くあるため、必ず内見をおこないましょう。自分の目で確かめれば、物件の詳細を比較・判断しやすくなります。

内見でチェックすべきポイントは以下の通りです。

  • 間取り:動線を確保できるか
  • 天井の高さ:扱う商品や導入設備に合っているか
  • 出入り口の広さ:商品や導入設備の搬出入がスムーズにおこなえるか
  • 使用可能な電気量:電気量を十分に確保できるか
  • 採光や気温、湿度:商品にカビが発生するリスクはないか
  • 換気:工場内の空気を良好に保てるか
  • 駐車場の有無:トラックを駐車させられる十分なスペースがあるか
  • 周辺環境:トラックの出入りがしやすいか、住民トラブルのリスクがないか

事業に適した工場を選べば、生産効率の向上にもつながります。また契約後に新しく設備を導入・整備するのも一つの手です。

契約する

内見で得た情報をもとに物件を決めたら、申し込み手続きをします。そして貸主や保証会社による審査を経て、契約へと移ります。書類確認後、入金や必要書類の引き渡し、署名捺印をおこなえば完了です。なお契約と同時に、盗難や事故、災害に備えたセキュリティ導入や保険加入も検討しましょう。

契約書には契約年数や形態、退去時の原状回復などについて細かく書かれています。また、どのような事業に工場を利用するのかも記載されており、用途以外で工場を使うと契約違反になる可能性があります。内容をきちんと確認し、トラブル防止に努めましょう。

貸し工場を契約する前におさえるべき注意点

貸し工場の契約前には、以下3つのポイントに注意しましょう。

  1. 改修や改装費用も用意しておく
  2. トラブル防止に努める
  3. 将来的な売却方法まで見据える

改修や改装費用も用意しておく

貸し工場の契約時は初期費用だけでなく、実際に工場を使えるようにするための改修・改装費用も用意しておく必要があります。なお改修は業者に依頼するのが一般的ですが、外装や内装を変えるだけなら自分たちでも出来ます。その場合は、改装できる箇所を内見時にきちんと確認し、完成後のデザインやレイアウトをイメージしておきましょう。

トラブル防止に努める

貸し工場の契約後は、さまざまなトラブルが発生するリスクがあります。たとえば契約後に設備の不具合が生じ、修理が必要となるケースです。事業用物件は、賃貸住宅とは異なり現況での引き渡しが一般的なので、契約前からすでに修理が必要だった可能性もあります。しかし内見・契約の段階で確認できていなければ、いつから修理すべきだったのかは判断できず、トラブルに発展する可能性があるため注意しましょう。

また工場での振動や騒音、においによる住民トラブルにも注意が必要です。内見時に周辺環境を調査するだけでなく、過去に住民からの苦情やクレームがあったのかも確認しましょう。

解約方法を把握しておく

事業開始後しばらくすると、より賃料の低い工場を探したい・従業員の増加にともない事業規模を拡大したいなどの理由から、貸し工場の解約・移転を検討する可能性もあるでしょう。そのため、契約書の解約予告期間および違約金について把握しておくのも大切です。

解雇予告期間とは、契約期間中に解約したい場合に通知しなければならない期限を指します。貸し工場は3年契約が一般的であり途中解約も可能ですが、解雇予告期間を守らなければ解約違約金が発生するかもしれません。一般的な解雇予告期間は3〜6ヶ月前とされていますが、念のため契約書をチェックしておきましょう。

条件に合った貸し工場が見つからないときは?

条件に合う物件が見つからない場合は、以下3つの方法を試してみましょう。

  1. 条件に優先順位をつける
  2. インターネット未公開の物件からも探してみる
  3. エリア密着型の仲介会社に依頼する

条件に優先順位をつける

求める条件すべてに当てはまる物件がなかなか見つからない場合は、条件を見直して優先順位をつけると良いでしょう。貸し工場を使用する様子を具体的にイメージすれば、優先順位がつけやすくなります。立地や間取り、家賃や設備など、こだわりたいポイントを洗い出してみましょう。

インターネット未公開の物件からも探してみる

解約日が決まっていても、工場が稼働している間はインターネットサイト上に掲載できないルールがあります。ただし未公開であっても紹介は可能なので、条件を満たす物件が見つからなければ不動産会社に直接問い合わせてみるのもおすすめです。

エリア密着型の仲介会社に依頼する

希望エリアが決まっている場合は、特定のエリアに対応した仲介会社で探すのも有効です。全国展開している会社よりもエリア内の物件情報を多く保有しており、細かな条件に合わせた物件紹介が可能です。

たとえば「エルネット(L-net)」は、東京・神奈川・埼玉・千葉を中心とする関東地方に限定した事業用物件の専門サイトです。情報量の多さは業界1位で、希望に合う物件がきっと見つかります。またサイト非公開の物件も紹介可能なので、理想の物件が見つからない場合は、こちらお問い合わせフォームをご利用ください!

まとめ

今回は、貸し工場の探し方や契約までの流れを紹介しました。貸し工場を効率よく探すステップとして、まずは借りる目的や必要な機能などの条件を整理する必要があります。またスムーズに事業を開始・運営するには、資金に余裕を持たせたりトラブル防止に努めたりするなどの工夫が大切です。

もし希望に合った物件が見つからなければ、条件や対象エリアを見直しましょう。また一部エリアに特化した不動産会社であれば、より豊富な候補の中から貸し工場を探せるのでおすすめです。関東地方で貸し工場をお探しの際は、L-netの活用もぜひご検討ください。




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